【妄想亭日常】 「新作コレクション」 弁財亭和泉


2009年に前座から二ツ目に昇進しました。

昇進後、仕事はないけど時間はあり余っているので少しずつ新作落語をつくりはじめ、自分の勉強会や新作派の先輩方が主催する会などで細々と自作の落語を披露していました。

2013年6月に春風亭一之輔師匠に声を掛けていただき、J亭という落語会に出演させていただきました。高座前、一之輔師匠が「時間気にしないで好きなネタやってね」と言ってくれました。

その言葉がうれしくて、数カ月前につくったばかりの25分以上ある自作の新作落語『影の人事課』を高座で掛けました。助演の高座にしては長過ぎます。

しかも、自作新作。

ですが、これのネタ選びが思わぬ展開に。

この噺の主人公は、職場の人間関係に悩み、1人で残業している35歳の人事課の女性。そこに謎の管理人のおばさんが登場し、物語が展開していきます(実はこのおばさんが裏ボス)。

J亭は会場がオフィス街で平日の夜開催だったこともあり、お客さまも会社帰りの方が多く、オフィスが舞台の現代ものだったので、予想以上にウケ、一之輔師匠からもお褒めの言葉をいただきました。

この会の打ち上げの席に背の高い赤いロングヘアの怪しげな男性が…。

落語評論家の広瀬和生さんでした。

私の噺をいたく気に入ってくださったようで、J亭を主催していたサンケイリビングのSさんに「粋歌さんの独演会やらないんですか? もしやらないなら僕がプロデュースしてほかでやりますよ」と宣言。正直お酒の席だったので、半分冗談だろうと思っていたら、Sさんが「でしたら、うちで」と、とんとん拍子に本当に独演会が決まりました。

その年の暮れに「広瀬和生プロデュース 粋歌の新作コレクション2013秋冬」を開催。棚ぼた的に始まったこの会は、今でも年1~2回のペースで続いております。

11月18日(木)に国立演芸場で真打昇進後初の「和泉の新作コレクション2021 秋By広瀬和生」が開催されます。

今回はオンラインでもお楽しみいただけます。

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