「産経らくご」で人気評論を連載中の広瀬和生氏が、
気鋭の二つ目の話芸を名文とともにお楽しみください。
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独創的な新作落語で人気上昇中の柳亭信楽。今の落語芸術協会の二ツ目の中では突出した存在と言えるだろう。ここ最近、出演の場をどんどん広げて落語ファンの間で認知度が高まっており、毎月の勉強会でも従来の常連客以外の新たな客層が増えて新たなリピーターとなっている。それは信楽の新作落語が問答無用で面白いからだ。どの作品でも必ず大きな笑いの渦を巻き起こす。しかも貪欲にネタを増やし続けている。現在芸歴12年目。あと数年と迫った真打昇進後は、現代落語界を彩る貴重な戦力として大いに活躍するに違いない。
シュールな設定の噺が多い信楽作品の中にあって、『出生の秘密』は最もわかりやすい作品のひとつだ。誰もが共感し得るシチュエーションの中で、本来シリアスになるはずのドラマがドタバタ喜劇となっていく可笑しさは、信楽一流の台詞回しの妙と演技力の賜物だ。仮にこの噺を他の演者がやったとしても、ここまで面白く演じることは不可能だろう。大企業の創業者である父に翻弄される息子の姿は、バカバカしくも愛おしい。“繰り返しの可笑しさ”の典型とも言える逸品だ。(広瀬和生)
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動画はこちらから!(9月15日~10月14日までご覧いただけます)
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