「産経らくご」で人気評論を連載中の広瀬和生氏が、過去に配信した公演の中から珠玉の一席を毎月セレクト。
今月は第八十四回大手町落語会(2024年4月13日公演)から立川小春志「三方一両損」をお届けします。
====
『三方一両損』は大岡越前の名裁きを落語化したもの。昭和の名人世代では八代目三笑亭可楽の十八番として知られ、その下の世代では立川談志、古今亭志ん朝、柳家小三治らがそれぞれ見事に演じたが、現代の寄席でこの噺を聴くことは滅多にない。大岡裁きとしての“三方一両損”は一般によく知られているのに、昨今の落語家があまりこの演目を高座に掛けないのは、この噺の肝が“江戸っ子の了見”だからだと思われる。「喧嘩っ早い江戸っ子を威勢よく演じること」が『三方一両損』において必須だが、現代の落語の潮流においてはそういう演者は多くない。そんな中で「男前な女性落語家」立川小春志は『三方一両損』を“あるべき姿”で威勢よく演じて実に気持ちいい。貴重な存在だ。(広瀬和生)
===
動画はこちらから!(4月15日~5月14日までご覧いただけます)
※ご視聴には『産経らくご』(月額1100円)への入会が必要です。初回ご登録の方に限り、30日間無料でお試しいただけます。
詳細・お申込みはこちら
X
Facebook
LINE