【妄想亭日常】「寄席の代バネ」  弁財亭和泉


いよいよ明日から、私の『落語の仮面』の10カ月連続公演が始まりますが、これに先立つ11月下席、鈴本演芸場で『落語の仮面まつり』が催されました。主任は、もちろん『落語の仮面』の作者、三遊亭白鳥師匠。ロビーには『ガラスの仮面』の美内すずえ先生からのお花も届いていて華やかなお祭り興行です。

今回は、定休日を除く8日間、22日から29日までの連続公演。スケジュールの都合で第二話の『嵐の初天神』から第九話『二人の豊志賀』まで。連続だから毎日行かないと楽しめないのではという、そんな心配はご無用です。

白鳥師匠の作る連続ものは、一話、一話が面白く、連続で聴かなくても楽しめて、連続だとさらに面白い。本当に素晴らしいのです。

当初、私は仲入り前の交互出演で3日間の出演予定でした。ですが、11月30日に開催予定だった某師匠の独演会が中止になり、30日まで「落語の仮面」の興行が延長されることになりました。

そして、白鳥師匠が30日に別の仕事が入っていたので、唯一、全十話を教えていただいた私が代バネ(主任を他の人が勤めて寄席をハネること)に。

名誉過ぎる名誉なのですが、真打になって代バネも初めてだし、決定したのは11月の中ごろで、ネタはほとんどやらない最終話『走れ元犬 真打への架け橋』。

昨日まで散々盛り上がっていたお祭り興行の千穐楽。

白鳥師匠の代わりが私。

大役を任されたプレッシャー。

心の中の月影先生に「お前は落語の仮面を被るのです。代バネの仮面を被るのです」と背中を押してもらい、何とか乗り切ることができました。

そして11月30日は私の新作落語の扉を開けてくれた三遊亭円丈師匠のご命日でもあり、色々な思いをかみしめながら家路に着きました。

『落語の仮面』十カ月連続も頑張ります!

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