最近女性の落語家が増えてきたといわれておりますが、確かに増えてきました。私が入門した２００５年、所属する落語協会の女性落語家は真打、二ツ目、前座を合わせても１０人以下。今では２０人以上が在籍しています。

もちろん、落語協会以外の団体にも女性は増えてきています。それでも男性に比べるとまだまだ少ないです。

ただ増えているだけではなく、古典をやりたい人、新作を作りたい人、メディアに出たい人、ＳＮＳで発信したい人等々、色々なタイプの人がでてきていて、女性落語家は化学変化の真っ最中です。

私もその中の一人ですがこの変化に日々わくわくしています。

二ツ目のころ、三遊亭白鳥師匠が後輩の女性落語家のために会をプロデュースしてくださいました。

その名も「ｗｏｍａｎｓ落語会」。白鳥師匠が作った新作落語に挑戦する会です。私も参加させていただき、たくさんの噺を教えていただきました。

白鳥師匠は自作の噺を誰かに教えるとき、必ず「どんどん変えてやってね」と言ってくださいます。自分がやりやすいように、構成、セリフ、ギャグ、登場人物、性別、オチも大幅に変えてよいと言ってくれるのです。お言葉に甘えて、バンバン変えてやらせていただいております。

教えていただいた噺の中でも「落語の仮面」には特別な思いがあります。原作は美内すずえ先生の大ヒット少女漫画「ガラスの仮面」。演劇の世界を舞台にした少女漫画を落語の世界に置き換えた全十話の連続ものです。

主人公の天才落語少女三遊亭花が厳しい修行の中で試練を乗り越え、成長していく物語。原作の大ファンだった私は二ツ目の間に全十話教えていただきました。

この噺があまりにも好きで、映像で残しておきたいとずっと思っておりました。そして、その夢が今年かなうことになりました。

１２月２３日から十カ月連続、毎月一話ずつ、「落語の仮面」を口演するリアル＋配信の落語会が始まります。新しい挑戦です。

全十話、三遊亭花ちゃんの落語ロード、皆さん、ぜひお付き合いください！