【妄想亭日常】 「プチでも大きな存在」 弁財亭和泉


私たちは寄席のオーナー、落語会の主催者の方を席亭(せきてい)と呼びます。ここ十年くらいでしょうか、プチ席亭という言葉を聞くようになりました。プチ席亭とは、読んで字のごとく小規模な落語会を主催している席亭のことです。

神保町にある『らくごカフェ』のように、50人で満席、高座や座布団など必要なものが全部込みでレンタルできて値段も手頃、気軽に落語会を開けるスペースが増えてきたからだと言われています。

プチ席亭の皆さんは、本業の仕事をしつつ、時々、落語会を開催。お目当ての二ツ目が真打昇進するまで見守りたい、応援したいと始めた人、地域のお年寄りに笑顔になれる時間を作ってあげたいと始めた人など、理由はさまざま。

席亭の一番の醍醐味(だいごみ)は理想の落語会をゼロからつくることができるというところです。

某ラーメン屋さんのように自分好みにカスタマイズが可能。『前座三遊亭で、二ツ目柳家多め、色物さんダブルで、昇進したての若手真打マシマシで』みたいなことが予算とスケジュールが可能な限りいくらでもできてしまいます。

これが、たまらなくうれしいらしいです。

この手軽さから、一時期プチ席亭ブームがおこりました。

ですが、会場を借りて企画するまでは簡単にできても、宣伝や集客が大変で心折れてしまい、2回目の予定は未定で終わってしまうパターンも。

これは持論ですが、会が続いているプチ席亭の皆さんは、あまり無理をせず、なんでも芸人に相談して進めてくださっている方が多いような気がします。

席亭と芸人の関係がうまくいっていると、その感じが自然と出るみたいで、会場内もいい雰囲気に。

ちなみにプチ席亭は手間の割に利益が少なく、今はやりの副業にはなりません。赤字になることもしばしば。それでも続けてくださっている皆さんは、この手間を「趣味の一環」「大人の部活動」「先行投資」「推し活」だと、ありがたいことに楽しんでくださっています。

私たち芸人は感謝で頭がさがるばかりです。

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