【hanashikaの時間。】「笑瓶兄さんのこと」 笑福亭晃瓶

今回は2月22日午前に亡くなりました鶴瓶門下の総領弟子、笑福亭笑瓶兄さんのことを少し書かせていただきます。僕が初めて兄さんと会ったのは、入門初日の師匠宅でした。当時、すでにテレビ、ラジオなどに出演してはったので、初めて会ったときは不思議な感覚でした。

「今日からこの人が僕の兄弟子になるんや」と、それまで話したこともない人が急に兄さんになるわけですから、今後どのようにかかわったらいいのか、不安に思ったのと同時に、何かうれしい気持ちも込み上げてきたことを改めて思い出します。それからは数えられないくらい、むちゃくちゃお世話になりました。

当時師匠は運転免許を持っていなかったもんですから、兄さんが師匠の運転手をよくやってました。そのとき、乗っていた車はスカイラインのバンタイプでした。兄さんのリクエストで師匠が買われた車でした。

内装がかなり派手派手で、内張が山吹色のベルベット生地で天井から扉から一面ケバケバでした。おまけに天井にはシャンデリアのような室内灯が付いていました。後に師匠がよく言っていました。「あれは笑瓶にだまされて買うたんや。全部あいつのデザインで俺が金払ったんや(笑)」

兄さんはその車が好きで、公私ともに使ってはったのですが、あまりにも中がキラキラしてるもんですから、芸人仲間から「動くラブホテルや」と言われていたのを覚えています。その後、兄さんの東京進出が決まり、「動くラブホテル」の車は僕に回ってきました。

兄さんにはむちゃくちゃお世話になりました。ご冥福をお祈りいたします。

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