【hanashikaの時間。】「言葉にできぬ落語家の「空気」」 笑福亭鉄瓶

落語の世界は必ず誰かの弟子になり、内弟子期間を経て、ひとり立ちとなります。この内弟子修業がのちに「ありがたい」と感じさせてくれるのです。

素人の方で落語家より上手な人はたくさんいると思います。今はDVDもCDもあれば動画サイトもある。名人といわれる方々のテキストを、いつでも見られて聴けるわけです。音感のある人、勘のいい人ならその名人の高座をある程度コピーできるでしょう。

余計なことをせずにそのまま演(や)れば、なんとかなります。

またタレントとして大成された方が落語に挑戦されてもそうです。すでに人に注目される術を知っているので、どうすればこの面白さを伝えられるのかを判断できます。名人の教材と今まで培ったスキルとセンスがあるのです。

では、なぜ落語家が落語家として存在しているのか? それは先ほど挙げたコピーとセンスに、もうひとつ加わるものがあるのです。それが内弟子修業中に得た「空気」なのです。

私は「空気」と表しましたが、正直なところ言葉では表すことができません。師匠と疑似家族になり、すべてを共にする。落語家としての「了見」を身体に染み込ませるのです。

技術とセンスは絶対に大事ですが、この言葉にできないものこそ一番大事なような気がします。知らんけど。

入門記念日落語会

2月11日(土曜、祝日)に私の入門記念日落語会を大阪・富田林すばるホール2階小ホールにて開催します。午後2時開演。前売1800円。予約、問い合わせは0721-51-4411(大正絽漫)まで。

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