先日10月28日、漫才の酒井くにお師匠がご逝去されました。初めてご挨拶させていただきましたのが、1987年、道頓堀の浪花座で六代目笑福亭松鶴(しょかく)追善興行のときです。私は10日間興行の日替わりの前座で出演させていただきました。
前座ですからもちろん出番はトップのはずですが、ゲストの師匠方がお仕事の都合で早く演芸場を出るため、急遽(きゅうきょ)3番目になりました。そのときのトップがくにお・とおる師匠、そして2番目がなんと、三代目桂春團治師匠でした。頭のてっぺんまで緊張して、舞台に上がらせていただいたことを思い出します。
それ以降、楽屋でよくお声をかけていただきました。その2年後、初めて演芸場で10日間の出番をいただきました。くにお・とおる師匠と連日ご一緒でした。
興行の初日に「初の10日間の出番、おめでとう」と言ってくださり、お祝いに羽織の紐(ひも)をプレゼントしてくださいました。今でも大切にしております。仲日(5日目)には、お祝いの飲み会もしてくださいました。
その翌年は名古屋の大須演芸場での新春興行でも連日ご一緒させていただきました。1998年、第1回の私の独演会にもゲスト出演してくださいました。噺(はなし)家以外の師匠で、若手の頃から一番お世話になった師匠です。お客さまからも芸人、スタッフさんからも本当に好かれて、人気のあった師匠を、永遠に尊敬しております。
師匠から言っていただきました「品のある、はんなりした高座を大事にしなさい」という言葉を胸に、これからも頑張ります。天国から見守っていてください。くにお師匠、本当にお疲れさまでございました。心よりご冥福をお祈りいたします。
アホの喜イ公TOカミナリのお松の会IN繁昌亭
12月23日(金)午後6時半から天満天神繁昌亭で。料金は前売り3000円、当日3500円。ぴあコード597-700。問い合わせは松竹芸能(06-6258-8085、平日午前10時~午後7時)、笑福亭鶴二後援会・辻(090-3263-0435)。