【hanashikaの時間。】「独演会までの苦悩」 桂小春団治

先日、恒例の僕の独演会がありました。僕の独演会は毎回、新作と古典を1席ずつ、古典はネタ下ろし、新作はこのための書き下ろしと、2席とも全くお客さんの前でやったことない噺(はなし)を2席ともするという、かなり過酷な独演会です。

特に新作は厄介で、時間をかけたら落語が作れるというものでもなく、アイデアが出ないときは独演会の5日前になんとか噺ができて、そこから集中して覚えて稽古してという綱渡り的なときもあります。

昔から、創作落語の会などで演じる日がまず決まって、だいたいこんな噺にしようかなと漠然としたところから、チラシ作成のためにタイトルだけ先に出し、本番まで苦悩の日々が続くというパターンで40年近く同じようなことを繰り返してるような気がします。

「アイデアはお尻に火がついてから生まれるもの」みたいな気持ちがどこかにあって、お尻に火がつくまで逆にほったらかしにしてるような節もあって困ったものです。新作の会の楽屋では同じように、出番ぎりぎりまで台本を血走った眼でにらみつけてる噺家も結構いて、お仲間は多いようです。

さてお知らせです。10月29日から来年3月11日まで「上方落語がやってきた!桂小春団治独演会」を島根県隠岐▽岐阜県大垣市▽山梨県韮崎市▽松山市▽東京都▽山口県下関市▽熊本市▽福岡県久留米市▽新潟県長岡市-と都会から離島まで全国11カ所で開催します。観光シーズン、旅行がてらぜひどうぞ。詳しくは僕のホームページ内の国際落語振興会で。

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