岸田文雄首相の秘書官になった息子さんがいろいろやらかしてます。
«公邸内で親族と記念写真を撮るなど不適切な行動をした長男、翔太郎秘書官の処遇を巡り、野党が批判。岸田首相は当初厳重注意としたが、結局、6月1日付で更迭した»
普通の首相と秘書官なら「てめえ、俺んち(家賃は税金)で何やってんだよ!」って話で、そんな足を引っ張る秘書官は即刻解任でしょう。でもお父さんは息子に「厳重注意」。なんだかな。まぁクビにしてもセガレだからウチに居るんだからタチが悪いですけどね。
私も「お子さんが落語家になりたいと言ったらどうしますか?」とよく聞かれます。うちの子は落語に興味がないようで「なりたい」とは言いませんし、今後も言わないでしょうが、万が一なりたいと言ったら私は必死で止めます。
わが子が同業者、かつ自分の弟子、ましてや同じ寄席の楽屋に常に居る…なんて想像しただけでキツい。まず「昔、お前の親父(おやじ)にこんなことされた」とか過去の悪事(だいたい事実)を仲間に吹き込まれるでしょう。それに楽屋でダラダラして、高座でもヘラヘラしゃべっているのを見て、肩を落とすこと確実です。親父の威厳急降下。それで愛想を尽かしてくれればいいけど、「ごきげんな仕事でいいな!」と居ついちゃって、親バカ子バカで能天気に生きていくのは世間様(さま)に申し訳ありません。私だってそれくらいの良識はあるつもりです。
そこにいくと堂々と世襲を続ける政治家は肝が太い。まぁフラフラさせておくよりも、とりあえず近くに置いといて肩書を与えておけばそれらしく見えるし、自分も世襲だから感覚が麻痺(まひ)してるんでしょう。世襲の政治家は地盤も看板もカバン(カネ)も譲り譲られるものがあってうらやましい。もっとも落語の才能がなかなか遺伝しにくいのと同じで、一番大切な政治家としての才能も遺伝しないのが悲劇ですが。