【直球&曲球】男女別学のメリット 春風亭一之輔 

   本紙23日付の社会面によると、「埼玉県教育委員会は県内12校の男女別学高校の共学化について『主体的に共学化を推進していく』とする報告書をまとめた」とのこと。
 今までも共学化の話はあったが、賛否両論ありなかなか前へ進まなかったのでいまさら?という気がしなくもない。
 私はまさにその埼玉県立男子高出身だ。愛校心に乏しい私は正直「どっちでもいいんじゃねえか」と思うのだが、OB・OGが別学保持を唱える気持ちはわかる。なにしろ私が学生の頃のわが母校は暖房設備が一切なく、真冬は厚手のオーバーを着て授業を受けていた。暖房導入が検討されると「暖房けしからん!」と横やりを入れるOBがいた…らしい。別学校卒業生は母校への偏った思い入れが強い。ふざけんな、暖房くらい入れさせろよ!と思っていたが、卒業後に暖房導入が決まり私も若干イラッとしたのは否定できない。
 閑話休題。別学のメリットを思いつくまま挙げてみる。個人の感想だが、まず男女別学は居心地がいい。当時は「女子がいればなぁ…」とブツブツ言ってたものの、そもそも選んだのは自分だし、異性の目を気にせず、実にのびのびとTシャツにトランクスで授業を受けてるような輩もいた。
 あと、メリットは…まあそんなところか。でも、気疲れしないというのはそれだけでも素晴らしいメリットだ。落語の学校公演に行くと共学より別学の方が一体感があり、ノリが良く、周りの目を気にせずにおおらかに笑ってくれる。
 私の家内は県立女子高OGだが、とても楽しかったと言う。そうなのだ。別学を経験した人は「男(女)だらけでもう最悪だったよ」というものの、どこか楽しそう。結局は生徒自身が選ぶのだから、選択肢は多い方がよい。
 完全に「時代の遺物」かもしれないけど、ここまできたら残しといてもいいんじゃないか。
 あえて「せっかく令和まで共学にしなかったんだからさぁ無くしちゃもったいない」という考え方じゃダメかな。

こちらは産経らくご会員限定ページです

ログインもしくは、 産経らくご会員に登録して閲覧ください。

  • 年間100席の
    落語動画を配信!

    最新・人気の公演をライブとアーカイブ(4週間)配信でお楽しみいただけます。

  • 「もう一度見たい名演」を
    毎月3席再配信!

    過去に配信した約400席の中からリクエストの多かった動画を毎月3席、1カ月限定で再配信。

  • 人気公演のチケットを
    先行・割引販売!

    産経新聞社主催の落語会公演チケットを早く・安く購入できます。※一部公演を除きます

  • 毎月抽選で
    噺家グッズをプレゼント!

    毎月、産経らくご会員向けの特別プレゼント企画に参加できます。

サービス詳細を知る

TOP