「産経らくご」で人気評論を連載中の広瀬和生氏が、
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前座時代の桂宮治を初めて観た時、「芸協にはこんなにハジケた前座が居るんだ!」とビックリしたのをよく覚えている。全力で笑わせるパワフルな芸風は前座の頃から既に完成されており、二ツ目に昇進してすぐにNHK新人演芸大賞落語部門の大賞を受賞したのも当然に思えた。サンケイリビング新聞社(後に産経新聞社に事業譲渡)はそんな宮治の独演会を早くから主催しており、そこでは数々の名演が生まれている。半年後に真打昇進を控えた2020年7月に「桂宮治独演会 半蔵門・春夏秋冬 赤い文月」でネタおろしした新作落語『パイナップル』は、主婦が開いた子供食堂を舞台とする人情噺。当時、僕は配信でこれを観て「宮治はこういう新作も作れるのか!」と大いに感銘を受けた。古典で暴れる宮治とはまた別の一面を見せる、心温まる傑作だ。(広瀬和生)
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