先日、テレビを見ていると、売れっ子の漫才コンビがまだそれほど売れていないときに、後輩におごるため、借金が200万円ほどあったという話をしていて驚きました。
確かにお笑いの世界は、先輩が後輩におごるというのは伝統的に続いていますが、借金してまでというのは驚きました。
その借金も所属プロダクションからのものかもしれませんが、夢路いとし・喜味こいし師匠とお芝居に出ていたとき、昔の芸人の借金の話を聞きました。こいし師匠が「小春団治さんも所属プロダクションに借金申し込んでみ」とおっしゃるのです。
1千万貸してくれるか、100万しか貸してくれないか、それによって事務所の中での自分の価値がわかるという。つまり、事務所側はこの芸人ならこれぐらいは回収できるという金額を貸してくれるので、自分の市場価値のようなものがプロダクションからの借金によってわかるというのです。
ところが猛者もいて、金に困ってもいないのに事務所から目いっぱい金を借りて、そのままその金をそっくり定期預金にした人がいるそうです。事務所は利子など付けずに芸人に金を貸したので、定期預金の金利が1割近かった時代に定期預金にして1年寝かせて耳をそろえて事務所に返す、銀行の利子分がもうかるというのです。大物なのかセコいのかよくわからん話です。
さて、3月13日(月)から19日(日)まで「神戸新開地・喜楽館昼席」に午後2時から毎日出演しています。お時間ございましたらぜひ。