昨年から取り組んでいるのが「ノンフィクション落語」というもの。といっても、私が勝手に名付けて演(や)っているだけなのですが。
歴史上の人物や著名人の物語だと、講談ぽくなってしまいます。私が取り上げているのは一般の方に起こる喜怒哀楽。その方の人生にスポットライトを当てます。
昨年は西畑保さん(86)のお話。西畑さんはいろんな理由から小学校を2年で行かなくなり、14歳から働き出します。字の読み書きができません。これが理由で職場を転々とします。
読み書きができないことを隠して結婚。それもすぐに知られてしまいますが、奥さまは全てを受け入れます。60代から夜間学級に通い、読み書きの勉強をされ、奥さまに初めてラブレターを書かれた話。タイトルを「生きた先に」とさせていただきました。
私自ら連絡を取り、取材をしてノンフィクション=事実に基づき物語にしていきます。今年のノンフィクション落語は「パパ弁~父と娘をつなぐ1095日~」と題して、シングルファザーとなった料理をしたことがない父が、高校生の娘のお弁当を3年間作り続けた話です。
父と娘がお弁当によって心が通うあったかいお話です。
今年の独演会で初演いたします。もちろん古典落語も一席いたします。
淀屋橋の朝日生命ホールで10月2日(日)午後1時開演。前売3千円。問い合わせは松竹芸能(06・6258・8085)。東京公演は日比谷コンベンションホールにて11月6日(日)午後1時半開演。