何年か前、 今人気が急落しているクルーズ船で落語の仕事をしていた時期があ る。
航海中、同じエンターテナーとしてマジシャンや歌手、 バンドの方々と一緒になることが多い。
その時はじめて「スティールパン」という楽器を見た。見た目は、 十人分の豚汁を作るナベのようだが、 音色がとても素敵だったのを覚えている。
アコーディオンは田ノ岡三郎さん、 一度ゲストで出ていただいたので覚えている方も多いだろう。
ああ、スティールパンと聞くと思い出すクルーズの旅。 青い空と大海原。
なつかしい。
そうだ、 今なら安くて空いているに違いないから久しぶりに乗ってみよう、 そう思う今日この頃である。
「けんこう一番! 第十二回三遊亭兼好独演会」(2020年4月4日、よみうり大手町ホール)より