先日、電車に乗っていたら「座ってください」と声が聞こえた。見てみると、小学生が80代くらいの女性に声をかけていた。
「おぉー素晴らしい」と思ったと同時に、小学生の隣に座っていた50代らしき男性が必死にスマートフォンでゲームらしきことをしていて「情けない」とも思った。
この間もそうだ。地下鉄で電車に乗ろうとホームで待っていました。駅に電車が到着しドアが開く。ほぼ満員。降りる方が「すいません。降ります」と声を出す。
ドア付近の中学生数名がいったん降りた。ドア前の60代らしき女性二人は動こうともしない。「気付かんか?」と思いながら私は電車に乗り、その女性の横に立った。するとこの二人の会話が耳に入ってきた。
「もう◯◯さん、シフトのことは口出しせんとこ。今の若い子には何言うてもあかんって」
フリがあってオチがある。もう落語です。若い中学生は空気を読み、行動した。お二人は自分たちの愚痴を言うのに精いっばい。よく耳にする「最近の若いヤツは…」。これはもう、間もなく来るオチへのフリなのだろうと思うようにしよう。
若い人たち「も」頑張っているのです。まあしかし、こういう大人はごく一部かもしれませんが、私も誰に見られているかわかりませんので、肝に銘じます。
落語界も若手の勢いがすごい。今回、何を言いたいか? 若手の皆さん、仕事をください。
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■笑福亭鉄瓶東京独演会
日比谷コンベンションホール(東京都千代田区)で11月6日(日)午後1時半開演。問い合わせ・予約は松竹芸能(06・6258・8085)