初めて生で演芸を見たのが、昭和55年の中学1年生のとき、道頓堀角座のゴールデンウイーク特別興行です。すごく面白かったので、同年8月のお盆特別興行も見に行きました。
ちゃっきり娘師匠とレツゴー三匹師匠の間に、先代の桂春蝶師匠が出てこられ、女性3人と男性3人の間に体の細い春蝶師匠がいるギャップが強烈でした。レツゴー三匹師匠の漫才のさなかに春蝶師匠が、夏物の白い襦袢(じゅばん)一丁で舞台の後ろを横切るとお客さまが爆笑です。横切った後、三人の師匠が「今、幽霊が後ろを通ったんと違うか? お盆やからなー!」と言うと、さらに大爆笑です。
テレビでは見られないアクシデントがいろいろある、生の舞台にハマったのを思い出します。音楽ショーあり、漫才あり、落語もマジックもありで、寄席は楽しかったです。
当時、松竹直営館の寄席がもう一軒ありました。新世界の新花月というところです。ジャンジャン横丁の中にありました。こちらは、歓楽街の中にある寄席でしたから、酔っぱらっているお客さまがたくさんおられ、出演されてる先輩方が四苦八苦して、ネタをやっておられる姿を思い出します。
今思えば、そういう舞台も見させていただき、本当に勉強になりました。新人の頃、宴席でしゃべる余興も多々ありましたからねー!
今は落語中心ですが、毎月4日間、DAIHATSU心斎橋角座で鰻谷(うなぎだに)寄席が開催されております。松竹芸能の寄席がデビューの私にとりましては、漫才の師匠方や後輩の前後に出演させていただくのが、今でもすごくうれしいです。
ぜひ、皆さまも鰻谷寄席にお越しくださいませ! 楽しいですよ!
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鰻谷寄席 23日(火)~26日(金)にDAIHATSU心斎橋角座。午後1時開演。料金1500円。チケットぴあのPコードは597-692。問い合わせは松竹芸能(06・6258・8085、平日午前10時~午後7時)。