本に置いて牛の鳴き声は「モーモー」、豚の鳴き声は「ブーブー」、鶏の鳴き声は「コケッコッコー」。
しかし、土地が変わるとこの鳴き声の聞こえ方が変わるようで、アメリカでの牛の鳴き方は「ムームー」、豚は「オインクオインク」、鶏に至っては「クックドゥードゥルドゥー」。ドゥードゥルドゥーってどう頑張っても聞こえない気がするのは僕だけでしょうか。
土地だけではなく、人が変わればモノの聞こえ方が違ってくる。
今日はそんなお話。
個人的には雨降りの日は嫌いではありません。なんとなく世界がおとなしくなっているような気がします。
その日は久しぶりの雨模様。まだ寝ているアジサイを優しく起こしているような朝。先ほど申しましたように、人が変わればモノの聞こえ方が違ってきます。
きっと一般的には雨の音は「ザー」とか「シャー」と聞こえていると思うのですが、食いしん坊を極めた人間にはそうは聞こえません。
「ジャ~ッ」とか「ジュ~ッ」という風に聞こえます。
つまり肉を焼く音に聞こえるわけです。皆さまもぜひこの一流の耳を鍛えていただきたいと思う次第でございます!(笑)
さ~て今日は焼肉だーー!!!!
というわけで訪れたのは「焼肉大門」さん。上野のいわゆるコリアンタウンエリアにございます老舗焼肉店です。
高級焼肉店と同じ質のお肉を安くに楽しめるそんなお店でございますが、「安く」と言いましても若手芸人にとっては気合を入れて訪れるそんなお店です。
入店すると同時に肉が焼ける匂いに胃袋が騒ぎ出します! そしてエプロンをつけたおばさまがそれなりに元気に出迎えてくれます。
この、それなりに元気にというところがポイントでして、例えるなら部活が終わって帰宅したときの「おかえり~、お風呂入ってきな~」と言ってくれるお母さんと全く同じテンションです!
なんだかそれが心地良いんですよ。
年季のついた椅子とテーブルの色合いが、またなんとも言えない昭和の懐かしさを感じるそんな店内です。僕は平成生まれですけどね(笑)
決まって注文するのは特上カルビと生ビール! その際必ずキムチを勧められます。
いつも思うのですが、大門さんのキムチはこのおばさまがつくっているのではないかと思うんです。すっごくおいしいキムチをつくってきた雰囲気を醸し出しているんです。食べてみたい! ただ!! キムチを頼める余裕など僕にはありません! 大門でキムチを注文するのは、僕の中で1つの夢として燦々と輝いているわけです!
その夢をかなえてくださる方、ご連絡お待ちしております(笑)
まずはビールが運ばれてきます。
外は雨降り。ジトっとした暑さの日に生ビールをグビグビっと流し込む! 冷える腹と喉からキューっという音が聞こえてきそうな喉越し!
ぷはぁ~!!! うまい!! 間違いない!!
そして特上カルビが運ばれてきます! 小さめのスマートフォンと同じ大きさで切られたお肉が美しく盛り付けられています! サシの入り具合も芸術的! 一目見た瞬間に「あ~、うまい!!」と言ってしまいそうなほど! 中でも大きくカットされているお肉を網に乗せる。
「ジュ~ッ」
これっこれっ!! 今日はこの音を追い求めてここにたどり着いたのだ!
しかし欲しいのは音だけではない! さぁ早く焼けておくれ! 君はどんな味なんだ!
ひっくり返すとともにあふれた油につられて小さく火が上がる! 焼かれたことによる肉表面の照りが食欲を爆発させる!
サッと炙って食べるのが好きな方です。つまり肉を焼いている時間なんて、大した長さではないのだ。しかしこれが長く感じる!
まだか。まだか。まだか。
今だ!!
お箸で持ち上げると、ずっしりと重量感を感じました。
そしてもう一つ。お箸で持った瞬間、「あ、これうまいわ」ってなるときってありませんか? それです。
大きく口を開けて、中にほうり込む。
うわぁーーーーーーーーーー!!!!!
ビックバ~~~~~~~~~~~~~~ン!!!
口に入れた瞬間のうまみと、分厚く切られたことによって味わえる歯応え! 噛むごとにあふれ出す肉汁! あんなにサシが乗っていたのに全くくどくない!!
「あー うまい! おいしい!! 本当うまい!! あ~もう本当おいしい!!!!」
…と思考回路がしながらも
「ちょっと待って。今ビール飲んだらすごいんじゃない? どこか飛んでいっちゃうんじゃない?」
なんて思いつつ、お肉のうまみと油がまだ残っている口の中にビールを流し込む。冷たいビールが身体の中に流れ込んでくる!
ふわぁーーーーーー!!!!
生きててよかった~~~~~~!!!
あいらぶゆぅ~~!!
繰り返すお肉とビールのシンフォニー!
お肉、ビール、お肉、ビール、お冷お冷、お肉!
あぁ幸せ!!
予算の都合上、お肉もビールもおかわりはしません。
焼肉という幸せな時間に思いを思いをはせながらの帰宅後、おにぎりを食べながらふと思いました。
梅雨入りしたら生活大変だなぁ。