昭和57年、中学3年生の6月、初めて師匠の六代目笑福亭松鶴宅にうかがわせていただきました。
翌年3月に師匠から「正式の入門は、高校卒業してからやけど、先に名前だけやる。笑福亭には、『鶴』に『二』と書いて『つるじ』という名前があるけども、お前はまだ子供やさかい、児童の児で鶴児にしとけ」と言っていただき、香盤(こうばん)(一門の名前が順番順に書かれているところ)に筆で書いてくださいました。
「うれしいなあ、今日から笑福亭鶴児や」と思っていると、師匠が「名前付けたさかいに、何でもええから今からネタを覚えて落語会に出してもらえ」と言われまして、1週間後、高校の入学式直前でしたが、南海本線の粉浜駅前での笑福亭若手会に「平林」というネタで出演させていただきました。
それから月日を経て、30歳のとき、なにわ芸術祭で新人奨励賞をいただき、その年の2月20日、ワッハ上方のレッスンルームでの記念落語会で、笑福亭鶴児から現在の笑福亭鶴二に改名する記念の落語会を開催させていただき、またその秋にワッハホールで「第1回笑福亭鶴二独演会」を開催させていただく運びになりました。早いもので「鶴二」を名乗らせていただき、初の独演会から25年がたちました。
そこで今年は春と秋に内容と場所も変えて、2回独演会を開催させていただきます。春の独演会は4月9日に繁昌亭で、師匠の十八番「らくだ」とハメモノ(落語の中に入るお囃子(はやし))がふんだんに入る「蛸芝居」という落語を口演させていただきます。ゲストは、上方落語協会の重鎮、桂福団治師匠でございます。皆さまのご来場を心よりお待ち申し上げております。
笑福亭鶴二春の独演会
4月9日(日)、天満天神繁昌亭で午後6時開演。前売り3000円、当日3500円。ゲストと演目は桂福団治「長屋の花見」▽桂文五郎「商売根問」。問い合わせは天満天神繁昌亭(06-6352-4874)、鶴二後援会・辻(090-3263-0435)。
笑福亭鶴二の道頓堀ほのぼの落語会
3月26日(日)、道頓堀ミュージアム並木座で午後2時開演。笑福亭鶴二が落語2席と「鶴二のここだけの話」を披露。問い合わせは鶴二後援会・辻(090-3263-0435)。