今年も押し詰まってまいりました。年内最後のコラムは、今年8月17日に他界されました兄弟子、笑福亭仁鶴兄さんの思い出を書かせていただきます。
私が24歳で結婚式を挙げるとき、快く仲人を引き受けてくださいました。それから楽屋でお会いする度に「嫁さん元気か?」とお声をかけて下さり、本当にうれしかったです。
また、若手の頃、和歌山の海南での落語会にゲスト出演していただいたとき、スタッフの皆さまに「これからも鶴二をよろしく頼みます!」とおっしゃってくださったお姿は、今でも忘れられません。
私は34歳のときに「不動坊」という落語のお稽古に通わせていただきました。ネタの覚えが悪い私に対し、7回に区切って、「要らん間がある! 要らん言葉が入った! テンポは落とさない! しぐさは丁寧に!」と細かく口伝してくださいました。
落語のお稽古の後は、ご自身が師匠・六代目松鶴(しょかく)にお稽古を付けていただいたときのエピソードや、橘ノ圓都(たちばなのえんと)師匠、桂米朝師匠の元へお稽古に通われていたときのお話をいろいろと聞かせてくださいました。感慨無量でございます。
お兄さんにおっしゃっていただいた「自分が初めて見たときに面白いと思ったことは、自分を信じて、最後までやり遂げなさい!」というお言葉を胸に、これからも頑張ってまいります。本当にお世話になり、ありがとうございました。
鶴二の一声落語会
「第1回 鶴二の一声落語会」を26日午後2時から、大阪市中央区の高津の富亭(高津宮)で。料金は2千円。問い合わせは鶴二後援会(090・3263・0435)。