4月といえば入学式ですね。私は中学3年の6月から、師匠の六代目笑福亭松鶴(しょかく)の家に学校が休みの日に通わせていただいておりました。高校の入学式の前に芸名をもらい、初舞台を踏ませていただきました。
近畿大学付属高校に通っていましたが、高校3年の2学期になりますと、ほぼ全員が大学入試に向けて受験勉強を始めます。
私は高校を卒業したら噺(はなし)家になろうと決めていたのですが、こうしたクラスの雰囲気の中、みんなと一緒に勉強して、大学へ行ってから正式に弟子入りするのは無理なのかなー?という気持ちに一瞬、なったことがあります。
それを大胆にも日曜日、師匠の奥さまに買い物のお供をさせていただいているとき、話したことがあります。奥さまはすごく怒られました。「何を考えてんねん! あんた大学へ行って会社の次長さんにでもなるつもりか!」と言われました。
今考えたら、なぜ社長さんでなく次長さんだったのかな?と思いますが…。熱くなられたから間違って言われたのだと思います。
「大学へ行くねんやったら普通の仕事に就きなさい。噺家になんねんやったら早よおいで!」と言ってくださったことを思い出します。もちろん、それからは、何の迷いもなくなりました。この続きは、次回に掲載させていただきます。
アホの喜ィ公とカミナリのお松の会~春の陣~
DAIHATSU心斎橋角座で5月5日(木曜、祝日)午後1時開演(0時半開場)。前売り3千円、当日3500円。出演は笑福亭鶴二、内海英華、桂治門。問い合わせは松竹芸能(06・6258・8085)。