クラスでは淡い期待をする男の子たちをよそに、少し曲がったリボンを直して友達と交換をし合う女の子たち。「〇〇ちゃんが本命を渡すんだって!」なんて噂がクラス内に広まれば、男子の期待はもう最高潮! ドキドキが止まらないそんな特別な日!
なんてお話は致しません。
こんにちは。昔昔亭昇です。
何を隠そう僕は大のチョコレート好きでございましてバレンタインの時期は僕にとって、とても楽しい季節です!
デパートの催事場ではこぞって「チョコレートフェスティバル」のようなイベントが開かれ、日本全国そして世界各国からお店が出店しています。今年は3カ所ほどお邪魔いたしました。
会場には宝石のように並べられたチョコレートの数々! 各お店にはオーナーパティシエらしきナイスミドルな外国人のモノクロ写真が飾られており、雰囲気を醸し出しております。
そして女子、女子、ご婦人、そして女子! どこを見回しても女性ばかりの中、アラサー男の僕がダウンを小脇に抱えてウロウロするわけですが、今年もすてきな出会いがありました!
その名も「ブノワ・ニアン ショコラ・ド・ドメール」。
はい、名前が全く頭に入ってきません(笑)
ベルギー出身のパティシエ、ブノワ・ニアン氏が手がけるチョコレートです! 目にとまったは板チョコでした。お店には8種類ほどの板チョコが並んでおりましたが「BARACOA 74%」というチョコレートの紹介文がすごかった。こう記されておりました。
「口に含むと、蜂蜜、次いで熟したバナナのような味が続き、最後にコーヒーと甘い煙草(たばこ)のような心地よい余韻に変わっていきます」
これ、チョコレートの紹介文なんです。
私ごとですがチョコレート好きが高じてチョコレート検定なるものを受験し、チョコレートスペシャリストという資格を持っておりますが、正直何を言っているのか分かりません!
しかし、ここまで詳細をここまで教えてくれるのも珍しいということで購入いたしました。
1枚なんと2300円。震える手をおさえながらお会計を済ませ帰宅。お風呂に入り身を清め、机にはコーヒーとお水。チョコレートを額に押しいただいた後、ゆっくりと封を開けました。
少し厚みのそれは艶があり、デザインもカカオの実をかたどっておりとても美しい。まるで神殿の壁画のようなチョコレートをまずは少し割ってみる。パキッと音を立てて割れたかけらを口に含んでみます。
まずは蜂蜜の味がする…はずが良く分からない。
そして熟したバナナ…も、良く分からない。
最後にコーヒー…、苦い。甘いタバコ…、甘いタバコってなに?
うーむ。高級チョコレートは難しい。
でも、おいしいのは分かる! カカオ分74%とは思えないほど甘く感じる。
何よりこのチョコレートの魅力は口溶けの良さだ。熱したフライパンにバターを投げ入れたごとく溶けていく。他のチョコレートとは比べ物にならないほど滑らかで、あの口溶けを味わいたくて次のかけらを口に入れる。溶けていくチョコレートが気持ちいい。もちろん香りも良く、口の中でチョコレートが無くなった後も長く留まってくれるという感じだ。
余韻に包まれるこの瞬間こそ至福の時なのだ。
僕にとってのチョコレートの1番の魅力は楽しいということです。
どのお店に行くか調べて、どのチョコレートにするか選んで、口に入れてはどこかの審査員になったつもりで、あーでもないこーでもないと考えを巡らせる。
お家で過ごす時間が増えた今、そんな過ごし方はいかがでしょうか。
関係ありませんが高校生のころ、朝のホームルームで「義理でも良いのでチョコ下さい!」と言ったのにも関わらす、遠回りをして帰ったのにも関わらず、母から板チョコを1枚しかもらえないあんな残酷なイベントは好きじゃありません。