毎年の秋の独演会では、書き下ろしの新作を1席やっているのですが、平成14年の独演会では、1時間15分の長編新作落語に挑戦しました。1時間を超える古典落語の長編ネタ「地獄八景」に対抗する新作として作った噺(はなし)です。
地獄に対して「天国への階段」と題したその噺は3話構成になっていて、2人の作家と僕で、1話ずつ同じシチュエーションで話が展開するオムニバス形式の落語で、天国に行くために天使から課題を与えられ、もう一度下界でそのミッションをこなすという話です。
そのときのマクラとして、上方噺家の平均寿命を調べてみました。江戸時代にまでさかのぼることもできないので、上方落語協会が発足したときの初代会長、先代林家染丸師が亡くなられた昭和43年から亡くなった噺家の享年を調べて、上方噺家の平均寿命を割り出したのです。
現在もその統計を取り続けていますが、昭和43年の先代染丸師から令和3年の笑福亭仁鶴師まで41人の物故者の平均を取ると、なんと61・12歳。80歳を超える日本人の平均寿命からしたらかなり低い数値です。
改めてこの数値を見て、年金の受給を先延ばしにせず、先日65歳できっちりもらうように申請したのでした。
さて、京都の東本願寺で親鸞聖人御誕生850年・開宗800年の慶讃寄席として3月25日から4月29日まで、1週間のインターバルを挟み、約1か月の間毎日2回出演しています。真宗落語「親鸞で行こう」は入場無料。予約・お問い合わせは東本願寺まで。